現金処理を簡単にする裏技！ | そうだ！会計簡単にしよう！

一人社長にお勧めの「現金を使わない」裏技会計術

　経理上では、現金を使うということは非常に難易度の高いものです。しかし、だからといって会社を経営していくうえで現金を使わないわけにはいきません。では、現金の扱いをどのようにすればよいのでしょうか？

「現金を使わない」とはどういうことなのか？

　会計処理をする上では現金の取り扱いは難易度が高いといえます。

　例えば、預金であれば、通帳などに記録が残りますので、残高の確認がスムーズに行えます。現金の場合は、お札や小銭の数を確認しないと残高がわかりません。通常使用する財布と別の財布を使っている場合であれば区別はしやすいですが、ひとり社長などの場合は本来会社で使用するべき支払いを個人の財布から出す場合もあると思います。ひとり社長でなくても、個人的な財布から支払う場合も多いと思います。

　上記のような場合があるため「現金を使うな」と会計上ではよく言われます。しかし、実際には現金を使わなければならないため、会計処理上で工夫する必要があるのです。

　そこでお勧めする処理が「現金勘定を使わない」やり方です。

現金勘定を使わずに会計処理をする

　現金勘定を使わずにする会計処理というのは「役員借入金」です。これは「短期借入金」でも構いません。

　例えば、仕事で使う書籍などを現金で買うときのことを考えます。書籍の値段が1,000円だった場合は借方が「書籍 1,000」貸方が「役員借入金 1,000」となるわけです。このような処理をする利点としては、個人名義のクレジットカードや個人名義の口座からの振り込みをすべて「役員借入金」で処理できることです。

　「役員借入金」自体は実際の残高を確認することはできませんので、しっかりと正確に記帳する必要はありますが、現金残高を合わせることや現金残高がマイナスになるといったストレスからは解放されます。

　「役員借入金」が一定の金額に貯まったときに会社名義の口座から個人名義の口座へ振り込めば、処理は完了です。定期的に定額を振り込むという形でも構いません。会計ソフトには科目が不足している場合があるので、「役員借入金」の科目を作成しておきましょう。